この一瞬が、永遠というもの。

それは、突然始まった。普段はすでに家にいない午前9時。いつものように、クラスの人たちオールスターズで構成されているような夢の中。家をぶち壊すかのような地響き。安眠をこれでもかと妨害する騒音。何事!?ついに爆弾テロ？自衛隊機の低空飛行？妄想は膨らむ膨らむ。でも、そんな日本の行く末を思いっきり左右するようなもんじゃなかった。なんともローカルな原因。お向かいさんの工場が解体作業を始めただけ。それにしても、うるさい。カバは水に潜るとき鼻をふさげるんやけど、人間も必要に応じて耳の穴、ふさげるようになれへんやろか。周りがうるさい時はもちろん、どっかの担任が自己陶酔しながら語ってるときとか。こう、ぴたっと。ぴた。

どっかの生命保険屋からぬいぐるみが送られてきた。見た目はかわいらしいアヒルさん。ところが、かわいい顔してこのアヒル、裏技持ってた。
背中のpush hereのシールを押すと、奴は太い、いかつい声でヒステリックにしゃべった。
「あふらっく、あふらっく、あふらあああぁぁぁぁぁっく!!!」

ぬいぐるみも見かけによりません。